ここは水の国

他の生物を退ける水に百万年も守られていた場所。

緑の国に攻め入った地の国は、
「せんすいかん」という奇妙な船で、この国の様子も伺っている。
緑の国からの応援要請は日に日に切迫感を増している

水の国を統べる美しき王は苦悩する。
彼女が選ぶのは緑の国との同盟か、それとも沈黙か…

(海竜 女王)

百万年の平穏により、軍を統率して戦うだけの魔力を持つのは竜の一族だけとなった。

王族では、女王を除いては 女 王の妹ただ一人。

力不足はわかっている。
でも、この国を、そして優しい姉を…
守れるのが私だけならば、戦う他に先に進める道はない。

(海竜 戦姫)

深い深い海溝の底に大きな図書館がある。

静寂の中で賢者がため息をつく。

我が国が誇るこの膨大な知識の宝から、
人を屠る魔法なんていう愚の極みを引っ張り出さねばならないなんて…

でも…

あの人はその柔らかい掌で私の手を握り、言った。
姉を守る力が欲しい、と。

読書に没頭する日々を送っていると
現実世界がやけに眩しく感じる。

彼女の真剣な声、揺らめく瞳に見惚れ
すっかり脳を焼かれてしまった

(賢者 オクトパス)

みてみて!
せんせいが教えてくれたお歌をうたったら、
てきのおふねが沈んでいくんだ!

ぼくはあさせのスーパーヒーロー!
うみの平和をみだす悪いやつは、ぼくがゆるさないぞ!!

(セイレーンの男の子)

illustration あづま十字